人生の夏休みとも呼ばれる「大学生」ですが、その最大の敵といえばなんと言っても卒論です。
何が障壁かというと、なんと言っても、論文というクオリティと1〜3万字というボリュームです。
大半の大学生は卒論に悩み、苦しみ、徹夜してもがいてなんとか提出までたどり着いて卒業をしていきます。
中には、卒論を苦に大学を退学してしまう学生もいる程です。
そして卒論の最初の難関が「テーマ決め」です。
多くの大学生は、これに時間を取られ、悩み、病んでしまいそうな気持ちになります。
そこで今回は、卒論ガチ勢文系大学生だった私が、卒論の簡単なテーマ決めの方法を解説します。
〜コンテンツ〜
- そもそも論文とは?
- 卒論の全体像を把握する
- テーマの決め方は3パターン
- キーワードを決める
- テーマを決める
- テーマは途中で変わってもいい
- まとめ
そもそも論文とは?
卒業論文とは、名前の通り論文です。
学問における執筆は、大きく分けて論文、レポート、作文があります。まずは違いを理解し、論文とは何を書くか理解しましょう。
まず、作文。おそらくせいぜい高校生までしか書くことはないものでしょう。作文とは、文を作るだけです。その内容は非常に簡単でよく、物事に対する感想を書く程度で良いものです。
例「花火を見て、綺麗だと思った。」など
次にレポート。これは、大学生が授業の課題でよく出されるものかと思います。普段意識して書いていないとは思いますが、レポートとして書くからには抑えるべきポイントはしっかりあります。物事に対して、そこから読み取れる事実や学んだことを書くものです。
例「花火を見て、この化学反応でこの色になることがわかった。」など
最後に論文です。これは、論理的な文章、つまり、事実を踏まえた上で考察して論理的に語る文章ということになります。
例「花火を見ると、この化学反応でこの色というパターンがあるため、ここに無い○○色は、この化学反応で発生させることができると考えられる。」など
※花火の色はあくまで例なので、事実とは異なります。
つまり、論文とは、現実世界の事実を踏まえた上で、考察をするものであると私は考えています。
また、論文はあくまで誰が見てもそうであると思えるように、俯瞰的(第三者的)視点で書く必要があるため、卒論に主観を入れることは御法度です。なので感想や筆者の背景を書いてはいけません。
卒論の全体像を把握する
ここで、まずは卒論の全体像を把握しておきましょう。
多くの卒論は、4〜6章で構成されています。教授の論文になるともう少し増える場合もありますが、卒論であれば4〜6章程度のクオリティで結構です。
最も簡単な流れは、①序論、②テーマ、③事例、④考察、⑤結論という感じです。
これを見て、割とシンプルだと思う方もいるかと思います。
その通りで、流れさえわかれば非常にシンプルな構成で卒論を完成させることができます。
そのためには、卒論を成り立たせるに値するテーマを決める必要があり、みなさんが1番悩んでいるところだと思います。
各項目の詳細については、また別の記事で解説したいと思います。
ちなみに、卒論は担当教授によって、序論を第1章とみなす場合と、序論の後に第1章から書き始める場合があります。結論に関しても同じです。後者の場合はテーマを2つの章に分けて書くことがあります。
テーマの決め方は3パターン
ここで、3パターンのテーマの決め方があることと、どの決め方が卒論が書きやすいかを解説します。
①真面目パターン
大学にはそれぞれ学部があり、あなたは少なからず何かの目的を持ってその学部を選択しているかと思います。(滑り止めでも大丈夫です。)
これは、その目的に沿って決めるパターンです。
目的を自分の核にし、そこからテーマを考え始めていく方法です。
②不真面目パターン(間に合わせパターン)
特に目的もなく大学に来た、もしくは、目的はあるものの積極的ではない人が、適当に書きやすそうなテーマを選ぶパターンです。
担当教授によっては、これでも突破できることがあります。
ですが、自分の興味ないテーマであるため、いざ執筆につまづいた時に復帰が難しくなる方法でもあります。
③「全然違うじゃん」パターン
その学部とは全く関係のない、自分がただ書きたいと思ったことをテーマに選ぶパターンです。
どういうこと?と思う方もいるでしょう。
例えば、これは私の友人ですが、経済学部にいながら、「外国人と結婚する方法」という卒論をテーマを設定していました。
友人曰く、ただ単純に外国人と結婚したかったそうです。
このように、自分が書きたいと直感的に判断したもので執筆し、担当教授ですらアドバイスできないような卒論の進め方もあります。
ただし、これをしてしまうと、「その大学での学びはなかった」と明言することを意味するので、あまりオススメはしません。
ちなみに、さっきのテーマで執筆していた友人は途中で挫折してテーマを変更していました。
結論、どの書き方がいいかというと、①真面目パターンがいいと思います。
理由は、執筆をしていて悩んでしまった時に、一度原点に戻ることができる唯一のパターンであるためです。他のパターンでは、それが不可能です。
キーワードを決める
いよいよ、具体的にテーマに近づいていきます。
まずは、テーマを決めるにあたって、ジャンルとキーワードを決めていきます。
①ジャンル
私が経済学部だったため、それを例に説明していきます。
まずはジャンルから。
ジャンルとは、例えば、法律、交通、福祉、物流、国際、金融、教育、物産などの大枠を指します。
わかりやすいイメージだと、自分の興味あることを市役所で尋ねる時、どの部署に行くか考えるとわかってくるかもしれません。
まず、前のタイトルで説明した通り、真面目パターンで決めることをオススメします。
まず、考えてみてください。あなたはなぜその大学を選びましたか?物流を学びたかった?田舎を活性化させたかった?公務員に興味があった?先生になりたかった?福祉に興味があった?
ちょっとしたことでも、ふわっとしたことでも、何かしら目的がありその学部を選んでいることと思います。まずはそのジャンルを決めましょう。
これはそこまで難しいものではないと思います。最悪、思いつくものを全て書き出し、興味のないものを消去法で消していく、という手もあります。
ここで、まずはジャンルを決定しましょう。
!!それでもジャンルが決まらない場合!!
大学での授業を思い出してください。できれば、必修ではなく、選択必修科目がいいです。なぜかというと、基礎的な必修のよりも、一歩専門性に振り込んだ内容であることが多いからです。
その中で、「これは興味があった」というものを見つけてください。ジャンル決定とまでは行かずとも、そのあたりがあなたが興味を持ちながら執筆できる内容である可能性が高いです。
まずは、複数でもいいので、ジャンルの候補をあげましょう。
②キーワード
ジャンルが決まったところで、次にキーワードを決定していきます。
キーワードとは、具体的な物を指す単語です。経済学部であれば、行政・民間共に、方針名、政策名、制度名、事業名、などをキーワードにしている人が多かったです。
ずばり、ここがテーマ決めの核となる部分であると言っても過言ではありません。
ですが、やり方は簡単です。ここでは2つの方法を紹介します。
- 1、サイニーで検索する
- 2、Googleで検索する
これだけです。それぞれ解説します。
1、サイニーで検索する
サイニーとは、基本無料の論文検索サイトです。Googleで「サイニー」と検索すると出てきます。
サイニーで、自分が決めたジャンルを入力し、出てきた記事のタイトル(できれば序論まで)を見ます。
その中で、具体的にはカタカナのキーワードか、漢字数文字くらいのキーワードを発見します。
そこで、これはいいぞ、と思えるワードを見つけることができたら、それがあなたの卒論の軸となるキーワードになります。
2、Googleで検索する
やることはサイニーの場合と変わらず、ジャンルで検索をしてキーワード探しです。
ただし、検索範囲が広いため、論文とは関係のない検索結果も出てくるため、その点サイニーの方がオススメです。
◎キーワード決めの注意点
気に入ったキーワードを使うことは非常に良いことですが、あくまで論文は俯瞰的で論理的である必要があるため、そのキーワードが社会的に存在価値のあるものであり、明確な評価ができるものである必要があります。
例えば、「ファッション」にしてしまうと、娯楽要素が強いキーワードであり、社会的にも必要不可欠な要素とは言い難く、また評価も個人差が出たり心理学的なものになったりし、論理的に語ることが難しくなります。
テーマを決める
キーワードを決めると、いよいよテーマ決めです。
テーマとは、そのキーワードに関する何かに対する考察をするというものです。
考察とは、事実と事実を並べてその四則演算の結果や、最小公倍数や最大公約数を計算することです。
といっても少しややこしいかもしれませんが、要するに「今はわからない何かを判明させる」というのが論文の最大の目的になります。
なので、まずはそのキーワードに関して、何がわかっていて何がわかっていないのかを調べる必要があります。その方法は、おなじみ「サイニー」です。
とにかくサイニーで検索しまくりましょう。そうすることで、そのキーワードがかかえる社会問題や、改善点などが見えてきます。
さらに、その改善点に取り組んだ先行事例や、似て異なるキーワードの存在を知ることもあります。
すると、大体のテーマの雰囲気が決まってきます。
「『キーワード』に関する『社会問題や改善点』についての考察」
きちんと調べを進めることで、このようなテーマが簡易的ではありますが、作成ができる状態になることができます。
そして、そうやってたくさん検索をしていくうちに、そのジャンル、キーワードに関する知識が無意識のうちに深まり、執筆して行く上で便利な素材になっていくことになります。
テーマは途中で変わってもいい
執筆途中でうまく書けなくなった場合、テーマの変更は可能です。
研究を進めて行く上で、自分の視点や考察が間違っていることがわかることは多々あることです。
むしろ、テーマが変わる方がより実りある研究をしてるとも言えると思います。
ただし、あくまで「テーマ」の変更であり、「キーワード」の変更ではありません。
キーワードを変更してしまうと、全く違う論文になってしまい、それは前進的変更ではなく、後退的変更になってしまいます。
1万歩譲って「キーワード」は変更したとしても、「ジャンル」は変えてはいけません。そこまで変更してしまうと今までの苦労が跡形もなく消え去ることになります。
もし大幅に変えるとどうなるか、またゼロに立ち戻ってしまった自分に焦りを感じる、精神的に追い詰められ、執筆が進まない悪循環に陥ってしまいます。
テーマを変えるときは、プラスの方向で変更をしていくようにしましょう。
まとめ
ここでは、テーマの決め方にのみ焦点を当て、考え方を解説しました。
結論、サイニーで検索しまくる、これに尽きるのかなと思います。
卒論は論理的な思考が必要になり、その論理性は外部の事実をインプットすることでしか経験値にはならず、1人の頭の中で作り上げるにはどうしても限界があります。
むしろ、検索せずに頭で考えるだけで書いた論文は、それは論理的とは呼べません。それは自論です。
適切な論理性を持たせるためのインプットとして、たくさん検索して論文を読み漁るのは大事な作業の1つです。
卒論のテーマ決めに悩む大学生が1人でも減り、少しでも大学生活の時間を有効活用できることを願いこの記事を書きました。
少しでもお役に立てたなら嬉しいです。
ちなみに、この記事は約5000字で構成されています。夢中に書くと文字数はあっという間に稼ぐことができます。
私はこの記事は2〜3時間で執筆しました。
卒論は、悩まず、上手に突破しましょう。
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